「Sol、Terra、Lunaの違いは何?日常のコーディングにはどれを使う?maxとultraは同じもの?」
GPT-5.6リリース後、開発者が最初に直面する問題はしばしば「アップグレードするか」ではなく、3ティアをどうルーティングするかです。今回OpenAIは命名規則を変更しました:数字は世代を表し、Sol / Terra / Lunaは世代をまたいで安定する能力ティアを表す——今後は「GPT-5.7 Sol」「GPT-6 Terra」のような組み合わせが登場します。選定時はティアで考え、毎回モデル名を覚え直す必要はありません。
本記事は比較と選定に特化します:3ティアの違い、どのシーンでどれを使うか、推論レベルの設定、キャッシュ新ルールでの節約法。リリース背景や政府審査の経緯を知りたい方はGPT-5.6完全解説をご覧ください。
一、3モデル:ポジショニングと価格
まず3ティアの価格とポジショニングを並べて見ましょう。価格単位は100万トークンあたり、入力/出力は別課金——覚えておくことは一つ:出力は常に入力の5〜6倍。節約の鍵は出力を抑え、ティアを正しく選ぶことです。
| モデル | Model ID | ポジション | 入力(/1M) | 出力(/1M) |
|---|---|---|---|---|
| Sol | gpt-5.6-sol |
フラッグシップ:現時点で最強。コーディング/生物学/サイバーセキュリティで飛躍的向上。max深層推論とultraサブエージェント対応 | $5.00 | $30.00 |
| Terra | gpt-5.6-terra |
日常バランス型:GPT-5.5と同等の性能、コストは半額 | $2.50 | $15.00 |
| Luna | gpt-5.6-luna |
高速・低コスト:OpenAI最安ティア。サイバーセキュリティ推論レベル向上後、Lunaも大幅に強化 | $1.00 | $6.00 |
新命名規則:数字 × ティア
OpenAI公式の言葉:「GPT-5.6で導入されたこの新命名体系では、数字はモデルの世代を表し、Sol、Terra、Lunaはそれぞれ独自のペースで進化できる安定した能力ティアを表します。」つまり:Terraが日常デフォルト($2.50/$15)、Solが難所攻略($5/$30)、Lunaが軽量タスク($1/$6)——ティア名は世代をまたいで安定し、大バージョン更新のたびに選定をやり直す必要はありません。
二、シーン別選定(3ステップ判断法)
核心原則は一言:日常はデフォルトでTerra——OpenAIは「GPT-5.5と同等の性能、コストは半額」と位置づけ、価格/品質のスイートスポットです。SolはTerraでは解けない重要タスク向け、Lunaは明確な単純作業向けです。
| モデル | ポジション | 典型的なタスク |
|---|---|---|
| Terra | 日常デフォルト | 通常のコーディング、ナレッジワーク、カスタマーサポート、一般的なAgenticタスク——迷ったらこれ |
| Sol | 難所攻略 | 難コーディング(Terminal-Bench 2.1 SOTA)、生物学ワークフロー、脆弱性研究とエクスプロイト、長期計画 |
| Luna | 軽量 | 分類、要約、バッチ処理、大規模低コスト推論、レイテンシ重視の単純作業 |
3ステップ判断法(そのまま使えます):
- デフォルトはTerra——迷わず、メインタスクはTerraに。
- 明確な単純作業 / 大量バッチ / レイテンシ重視?分類、要約、フォーマット、数百万件のバッチ処理 → Lunaへ。
- Terraで試しても足りない / 長期の複雑なAgentic?そのとき初めてSolを呼び出し、
maxレベルやultraモードと組み合わせる。
「安い方から順に試す」は避けよう
メインタスクは最初からTerraに。Lunaで手戻りすると逆に高くつきます。SolはTerraが足りないときだけ——Claude側の「日常Opus、難所Fable」と同じ考え方です。Claudeモデル選定に慣れているなら、その発想をそのまま移せます。
三、GPT-5.5と比べて何が変わったか
GPT-5.5から移行する場合、次の5点が核心の変化です:
| 観点 | GPT-5.5 | GPT-5.6 |
|---|---|---|
| 命名規則 | GPT-5.5単一名称 | 数字(世代)+ Sol/Terra/Luna(能力ティア)、ティアは世代をまたいで安定 |
| 日常価格 | GPT-5.5フル価格($5/$30) | Terraは約半額($2.50/$15)、性能は同等 |
| 推論レベル | low / medium / high / xhigh | Solにmax追加——最も十分な推論時間、最難問向け |
| 協調モード | 単一エージェント | ultraモード導入——サブエージェント並列で複雑作業を加速 |
| プロンプトキャッシュ | 暗黙的キャッシュ、挙動が不確定 | 明示的キャッシュブレークポイント + 30分最低存続期間。書き込み1.25×、読み取り0.10× |
公式発表のベンチマークハイライト(Solティア):
- Terminal-Bench 2.1(コマンドライン作業:計画/反復/ツール調整)—— Solが新SOTA
- GeneBench v1(長期ゲノム学・定量生物学)—— Solがより少ないトークンでGPT-5.5を上回る
- ExploitBench(サイバーセキュリティ脆弱性研究とエクスプロイト)—— Solが約1/3の出力トークンでMythos Previewと競合
- ExploitGym(UC Berkeley + OpenAI共同)—— Sol / Terra / Luna 3ティアとも推論強度向上で大幅強化
四、推論レベル & ultraモード
GPT-5.6はGPT-5系の既存推論強度レベルを継承し、Solにmaxを追加——この2つはしばしば混同されるので、まず区別しましょう:
| レベル | 適用シーン | コスト傾向 |
|---|---|---|
minimal |
Codex CLI対応の最低レベル。ほぼ思考せず即答 | 最安 |
low |
分類、単純クエリ、レイテンシ重視で知能集約でない作業 | 最安 |
medium |
コスト重視だが一定品質が必要な通常リクエスト | バランス寄り安 |
high |
推奨——大多数の知能集約作業のスイートスポット | 推奨 |
xhigh |
複雑コーディング / 長期Agenticタスク | 品質寄り |
max NEW · Sol |
最難問。正確性 >> コスト | 最高 |
混同しやすい:max ≠ ultra
- maxは推論強度レベル——単一エージェントにより長く思考。並列化できず深掘りしかできない推論向け。
- ultraは協調モード——サブエージェントを並列起動して複雑作業を加速。分解可能なマルチパス作業(多角的レビュー、複数経路探索)向け。
- 公式データ:Sol UltraはTerminal-Bench 2.1で91.9%、Sol基本レベル88.8%を上回る。
実際のパラメータ記法はOpenAI APIドキュメントを参照。Codex CLIの日常設定例:
- 難所攻略:
codex -m gpt-5.6-sol -c model_reasoning_effort="max" - 日常:
~/.codex/config.tomlでmodel = "gpt-5.6-terra"+model_reasoning_effort = "high"を設定し、その後はcodexだけでOK
五、プロンプトキャッシュ新ルール
GPT-5.6以降のすべての新モデルで、キャッシュ課金と挙動が変わりました。3点を一度に覚えましょう:
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 明示的キャッシュブレークポイント | プロンプト内でキャッシュ境界を明示マーク可能。以前の暗黙的挙動に代わり、「どの部分をキャッシュするか」を明確に制御できる |
| キャッシュ存続期間 | 最低30分——旧版のように数秒で失効しない |
| 書き込み価格 | キャッシュ書き込みは未キャッシュ入力レートの1.25倍で課金 |
| 読み取り価格 | キャッシュ読み取りは未キャッシュ入力の90%割引(10%で課金) |
Terra入力$2.50/Mで計算すると:
- 未キャッシュ入力(初回呼び出し):$2.50
- キャッシュ書き込み(初回ブレークポイント付き):$2.50 × 1.25 = $3.125
- キャッシュ読み取り(30分以内ヒット):$2.50 × 10% = $0.25
結論:長いプロンプト(system prompt、参考ドキュメント、コードベース)が30分以内に3回以上ヒットするなら、すでに黒字——書き込みは25%高いが、読み取りは10%だけ。ヒット率が高いほど節約効果大。コンテキストが長いシーン(RAG、長期Agentセッション)ほどレバレッジが効きます。
六、利用経路:API / Codex / ChatGPT
| チャネル | 現状 | モデル切り替え方法 |
|---|---|---|
| API | 7月9日から段階的開放 | リクエストボディでmodel: "gpt-5.6-terra"等を指定 |
| Codex CLI | 同期開放中 | /modelセレクター · codex -m gpt-5.6-sol · config.toml |
| ChatGPT | 段階的ロールアウト、一括全量ではない | モデルセレクターにSol / Terra / Luna 3ティアが表示(アカウントにより異なる) |
| Cerebras Fast | 7月、選定顧客向け | Sol最高750 token/秒、レイテンシ重視シーン向け |
ChatGPTでまだ3ティアが見えない場合は正常です——OpenAIは「段階的拡大」戦略を採用しています。アカウント内のモデルメニューや公式告知を確認してください。
七、コスト最適化早見表
GPT-5.6シリーズの節約3大レバー:
| 手段 | やり方 | 節約箇所 |
|---|---|---|
| ティアを正しく使う | デフォルトTerra、単純作業Luna、必要時のみSol | 過剰スペック回避 |
| 明示的キャッシュを活用 | 長いsystem prompt / 参考ドキュメント / コードベースにキャッシュブレークポイント | 入力側 |
| 推論レベルを下げる | 知能集約でない作業はlow / medium。maxは正確性 >> コストのときだけ | 出力側 |
| 出力を圧縮 | 構造化出力(JSON schema)、「結論のみ/コードのみ」を明示、文字数制限 | 出力側 |
| バッチAPI | 遅延許容タスクはBatch API(長期ポリシー50%オフ) | 全トークン50%オフ |
節約3つのコツ
- デフォルトTerra、安易にSolに上げない
- 長いプロンプトにキャッシュブレークポイント
- 推論レベルはmaxではなくhighから
これが最大の節約レバーです。より体系的なコスト削減はLLM価格選定ガイドとClaude Codeコスト削減の振り返りを参照。
FAQ
日常はSol、Terra、Lunaのどれを使うべき?
デフォルトはTerra。迷ったらTerra。単純作業/大量バッチはLuna。Terraで足りないときだけSol。
maxとultraは同じもの?
違います。maxは単一エージェントの深層推論。ultraはサブエージェントの並列協調。異なる次元で、併用可能。
3ティアの価格は?
Sol $5/$30、Terra $2.50/$15、Luna $1/$6(100万トークンあたり、入力/出力)。
明示的キャッシュはいつお得?
同じ長いプロンプトが30分以内に3回以上ヒットすれば通常黒字。Terraのキャッシュ読み取りは$0.25/Mのみ。
Codexでモデルを切り替えるには?
/model、codex -m gpt-5.6-terra、または~/.codex/config.tomlで永続設定。
まとめ
GPT-5.6 Sol・Terra・Lunaの選び方は?一言で:Terraデフォルト、Sol難所攻略、Luna軽量タスク——能力ティアで選び、数字は世代マーカーに過ぎません。
日常作業はTerraから始めましょう(GPT-5.5より半額、性能は同等)。Solは最難問だけ呼び出し(max深層推論やultraサブエージェントと組み合わせ)。Lunaは明確な単純作業をすべて受け持ちます。ティアを順に試す必要はありません——メインタスクは最初からTerra。これが2026年最も手間のかからないGPT-5.6選定の心得です。
GPT-5.6 AgentでiOS / macOSビルド?安定したCloud Macを用意しよう
SolのultraサブタスクがXcodeやTestFlightを含む場合、安定したmacOS実行ノードが必要です。VuncloudのMac mini M4専用サーバーは月単位から借りられ、Agentが夜通しビルドを継続できます。
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価格と機能はOpenAI公式ブログ、価格ページ、Codexドキュメントを参照。最終更新:2026年7月10日。